

使用する道具は安全のための最低限の確保用具のみ。
自身の技術と体力を駆使して岩山を登るフリークライミング。
トップクライマーの平山ユージが、その魅力を語る。
「ヒマラヤに行ってみたいと思っていたんです」と、登山用品店に出入りしていた高校時代のことを語り始めた平山ユージ。店内で登山用具のひとつであるカラビナを手にとって見ていたときに、店員からフリークライミングの初心者用コースに誘われたことで、興味を持って参加を決めたという。「当時はインドアのジムなどなくて、最初から岩場に行ったんですね。もちろん、いきなりすごい高さの岩山に登るわけではないんですけど、ロープとかも信用できないし、怖かったことを覚えています。でも、無我夢中で登って、頂上に到達したらすごい解放感があったんですね。怖かったから、身体が緊張して強張っていたんだと思います。その解放感が心地よかったですし、もう初日からハマりましたね。小さな岩場でも楽しかったから、世界中の岩場を想像したら、一生飽きないだろうって」。
クライミングのクラスを手伝いながら自分も登り、徐々に慣れてくると、やはり、海外へと目が向き始める。「世界一のクライマーになりたい」という気持ちが常に平山の原動力であり、アメリカやヨーロッパの山を前にしたときには、そのスケールの大きさに興奮も覚えた。そして、世界のトップクラスのクライマーたちが登る姿を見て、上を目指す気持ちはより強いものになったという。
「ヨーロッパのトップのアスリートを見たときには衝撃的でした。バレリーナのようにつま先から指先まで神経が通っていて、クライミングをする姿がすごく美しいんです。すぐにそこを目指したいと思いましたね」
身体を柔らかくし、動きの中での全身の力のバランスを的確に把握すること。メンタルにも安定感を持たせて、迷いのないクライミングを実現すること。1980年代の後半より、数々の国際クライミングコンペに参加し、多くの大会で優勝や上位入賞を重ねる。また、世界各地の難関なルートも踏破し、スピードの世界記録も数多く保有する。
「大会だと周りに選手がいるわけですから、競争という意識が高まります。でも、原則的には、岩に魅せられて、岩場のルートを選んで登りたい。そして、進化を続けていきたい、という大前提の動機はそういうシンプルなものです。クライミングを続けてきたことで自分の目線が確かなものになったはずですし、物事を見る深みも増してきたと感じています。『BASE CAMP』では、自分の経験で得たものを残したいと思っています」
平山は7月に、クライミングジムをオープンした。岩場が突然出現したようなイメージで壁を作り上げ、「準備する場所であり、戻ってきて癒される場所にしたい」という意図を込めて、『BASE CAMP(ベースキャンプ)』と名付けた。これからも登り続けることはもちろんだが、同時に、自分がやってきたことを伝えていきたいと語る。
「EXILIM Gは岩場に持っていくのにも手軽ですし、何しろタフなのでクライミングにも適しています。ラフに扱えるカメラじゃなかったら、岩場に持って行けませんよ。クライミングを楽しんで、そこで見た景色を誰かと共有できるのは嬉しいですね」



